ロールプレイ「英国同時多発テロの解決方法は?」


イギリス市民A
意見「テロは絶対に許されない。テロに妥協してイラクから撤退すべきではない」
 45歳 ロンドン市民 地下鉄爆破に遭遇するが軽傷ですむ。
◆プレイ中の立場
○テロの脅しに屈して、イギリスの外交政策を変えるべきではない。イラク国内の治安維持に見通しがつくまで、イギリス軍によるイラク占領に賛成である。
○イスラムはイギリスの民主主義にとって脅威である。
○過激化するイスラム教徒(英国で生まれ育ったイスラム系市民)の存在は、英国内のテロ予備軍となるので、イギリス社会にとり危険であり、脅威である。
○英国で生まれ、学校教育を受けたイスラム教徒がテロを起こすのであれば、母国への裏切りでありイギリスに住む資格はない。
○テロに賛成するイスラム系英国人は、2世も3世も元の国(パキスタンなど)に帰るべきである。

イギリス市民B
意見「国内のイスラム教徒とは今まで通り、今後も共存していくべきである」
 50歳 リバプール在住 ポーランドからの移民の2世
◆プレイ中の立場
○イスラム教徒に脅威は感じない。
○ほぼほとんどすべてのイスラム教徒はテロを支持していない。
○自分が知っている多くのイスラム教徒は脅威ではない。イスラムに反社会的な危険人物はごく少数にすぎない。
○ブレア首相が国民に説明したように、イギリス国民はテロに負けてはいけない。
○2001年の9月11日の米国同時多発テロ以降、社会に広がったイスラム教徒に対する差別感情があるのが問題である。


イギリス市民C
意見「テロは許されないが、テロを生む社会条件をなくす必要がある」
 30歳 マンチェスター在住 何世代もの英国人
◆プレイ中の立場
○英国内のイスラム教徒は3%のみである。
○世論調査で「イスラムに反社会的な危険人物はごく少数にすぎない。」に64%が賛成。
○7月7日のロンドン同時多発テロに対して、英国人の88%が正当化できないと答えた。
○テロの問題は、イスラム教をねじ曲げる過激思想と、それを受け入れるイギリス国内の社会条件(イスラム系移民の失業など)である。
○パキスタン系、バングラディッシュ系のイスラム教徒の失業率は40%前後に上っている。
イスラム系移民に働く機会の提供や、社会参加の場を設ける政策が必要である。


ロンドン在住の日本人
意見「テロは無実の人を巻き込む。非暴力的方法で主張すべきである」
 35歳 ロンドン在住 日本語学校教師
◆プレイ中の立場
○多文化理解の授業で、イラク系の人から、生活、宗教、遊びなどについて子どもたちと交流したが、礼儀正しい親切な人々である。
○イラク戦争で戦闘が終結しても、イラク現地で報復テロが頻発している。
○戦争はテロによる報復を呼び、暴力の連鎖を引き起こしている。
○イラクの市民も英国人と同じように生活したいのであり、平和な生活に早く戻ることを望んでいる。現在でも、テロやアメリカ軍の民間人への攻撃により多くのイラク市民が犠牲となっている。


英国イスラム教徒A

意見「テロに反対である。しかし、イギリスがイラク戦争をはじめたのは間違いなので、すぐに撤退すべきである」
ロンドン在住 45歳 男性 イスラム教徒
◆プレイ中の立場
○ロンドンの同時爆破テロには反対である。
○イラクに大量破壊兵器は見つからなかったので、イラクが大量破壊兵器を隠し持っているという戦争開始の理由は、アメリカとイギリスが戦争を始めるための言いがかりであった。
○アメリカとイギリスがイラクを占領して以降、イラク国内の治安は次第に悪くなった。
○米英軍の異教徒がイラクの占領を続けているので、自爆テロがイラクでもイギリスでも起こるのである。イギリスは早くイラクから撤兵すべきである。


英国イスラム教徒B
意見「ロンドン同時多発攻撃はイギリス軍をイラクから撤退させるための戦いである」
 25歳 男性 リーズ在住 無職
◆プレイ中の立場
○イラクの米英による占領に反対である。
○アメリカがイラクを占領したのは石油が欲しいからである。
○アメリカによるアフガニスタンとイラクへの攻撃により無実の数万人のイスラム教徒が犠牲となった。
○イラクに欧米の価値観を持ち込んで、強制的に西欧的に変革するのは間違いである。
○イギリス社会はイスラム教徒に差別的である。
○われわれはイスラム教に厳格に従った社会を構築したい。
○イスラム教徒の願いを達成する目的で、自分の命と引き替えに行った自爆テロ攻撃は称賛される行為である。攻撃実行者を追悼したい。