@教師 
意見:平和形成の方法を子どもたちに教えていきたい。
◆プレイ中の立場
○社会科の中では、イラク戦争など世界で生じている地域紛争や、環境破壊や、食糧不足などの平和に関する時事問題を取りあげている。
○国語教科書にある戦争で苦しんだ人々をテーマとした平和教材を使って、子どもたちに戦争の被害を受けた人々の心を理解させるようにしている。
○「総合的な学習の時間」で、「現在の世界の紛争」をテーマとして取り上げ、子どもたちにインターネットや新聞を使って調べ物学習を行わせ、学習成果をグループ別に発表させている。子どもたちが望めば、平和のための署名集めや、平和のためのホームページも開設したい。
○平和は戦争がないだけではなく、いろいろな暴力(事件や事故)が少ない安心して暮らせる社会で、世界の人々が協力しあって文化的な生活を過ごすことができることである。
 
A子どもの保護者 
意見:子どもたちが学校で平和について熱心に学習することはよいことである。しかし、高校進学に直結した学力の形成はもっと大切である。
◆プレイ中の立場
○総合的学習の時間は、子ども中心の学習であるが、遊んでいる子も多く、受験に役立つ学力の形成に結びついていない。
○子どもが平和問題に関心がないのであれば学習成果は上がらないので、そういう場合は、平和について教える必要はないと思う。
○私が小学生の頃、修学旅行で広島(長崎)にいったので、核兵器のおそろしさがよくわかった。それで、学校で被爆者の話を聞くとかして「過去の戦争」について子どもたちに教えてほしい。
○子どもたちの学力が伸びる学習活動であれば、親としても支持・サポートしていきたい。
 
B子どもA(中学生) 
意見:平和形成方法を学びたい。
◆プレイ中の立場
○平和な問題の中では、「戦争をなくすこと」に関心がある。
○それに関連して、貧しい開発途上国で暮らす学校に行けない子どもたちや、環境問題にも関心がある。
○日本や世界を平和にする方法を、学校でもっと学びたいと思う。
○日本は国として、世界の平和のために、@環境対策(公害対策)や省エネルギー、A医療協力、などの分野でもっと貢献すべきと思う。
○私自身は、将来途上国で自然を守る仕事を希望しており、砂漠化を防ぐ植林や、絶滅
しそうな動物の保護などの仕事につきたいとと思う。
 
C子どもB(中学生)
意見:平和について考えることはあるが、子どもである自分が何かしても役に立つとは思えない。
◆プレイ中の立場
○平和な社会をつくる方法を考えたことがないので、何をしていいのか分からない。
○ヨーロッパの芸術や音楽には興味があり、外国の学校と「国際交流活動」ができたらいいと思う。
○平和な社会をつくるのはたくさんの人による活動なので、自分一人が頑張っても意味(効果)がない。
○平和問題それについて議論し、それを解決することは大人たちの問題であり、子どもたちが平和形成の方法を学ぶ必要はあまり感じない。
○平和運動団体が行っているデモや署名活動は効果があるのか疑問だし、署名したり新聞に投書するのは面倒くさいので、関わりたいと思わない。
 
D子どもC(中学生)
意見:平和問題については関心がない。平和形成は大人が責任を持つ問題である。
◆プレイ中の立場
○平和の問題については、今までまったく考えたことがなかった。
○今、自分のまわりの人々は平和そうにしているし、日本は戦争もしておらず平和なので、平和にしようとする必要はないと思う。
○世界を平和にする方法を子どもに教えようとする前に、まず大人達が平和問題の解決に取り組むべきである。子どもに教える必要はなく、大人が努力すべき問題である。
○平和社会の形成に日本や世界で努力した人や平和運動団体について学びたいとは思わない。
○日本国内が安全で平和であるのが大切で、いじめがないことや、虐待されている子がいないこと、警察官が犯罪の少ない町にする、などが大切だと思う。
 
E学校管理職(校長・教頭)
意見:学校では中立的な教育がなされるべきである。
◆プレイ中の立場
○子どもたちは将来市民になるのであるから、子どもが現在の平和の問題に興味を持っていろいろと調べたり、考えたりすることは大切である。
○教科書の範囲内で教え、子どもたちが日本や世界の平和を願い、平和問題を主体的に考えることは教育上重要なことである。
○自衛隊のイラク派遣の是非について教えたり、平和のための署名集めなどの社会的活動を子どもたちが行うと、政治色を帯びて地域の保護者が問題にして、さらに教育委員会から調査や指導が入るかもしれない。
○学校教育の中で、子どもたちに政治的教養を教えることは大切であるが、授業の中で政治的な平和問題はできれば取り上げて欲しくない。