平和形成方法についての中学2年生の意識−2006年平和意識調査から
 
1.平和に関する意識
 
 表1 調査地別・男女別有効サンプル数
調査地 調査実施校 男子 女子 不明 全体 (%)
東京
京都
広島
那覇
  5校
  3校
  5校
  5校
207
158
192
189
176
136
182
206
  0
  0
  1
  2
383(26.4)
294(20.3)
375(25.9)
397(27.4)
 18校 746 700   3 1449(100%)
  注1:広島の5校の内で、原爆の被害を受けた旧市内にある学校は3校である。
 
(1)平和と戦争への関心
 
中学2年生に対して、平和と戦争への関心を聞いた。平和についてふだん考えたことがあるかの問については、ある(「よくある」+「たまにある」)と答えたものが、全体で66.5%で、ない(「ほとんどない」+「ない」)と答えたものが33.5%であった。
他方、戦争についてふだん考えたことがあるかの問については、ある(「よくある」+「たまにある」)と答えたものが、全体で68.6%で、ない(「ほとんどない」+「ない」)と答えたものが31.3%である。平和と戦争については、いずれも3分の2以上の中学生がふだん考えたことがあると答えており、平和や戦争について無関心ではないことがわかる。平和よりも戦争についての方が、中学生のふだん考える割合が2ポイントだけ高くなっている。
 
(2)世界と日本についての平和認識とその理由  
 
 表2 世界が平和でない理由                (複数選択、数字は%)
理由 男子  女子 全体
戦争が起こっている国があるから
世界中で事件や事故が多いから
貧しい国があるから
環境破壊が進んでいるから
一人一人が大切にされていない国があるから
武器があるから
その他
74.6
68.3
55.7
52.1
43.2
48.4
 7.6
<82.6
 71.9
<70.5
 48.3
<54.8
 48.0
  5.1
78.6
70.1
63.1
50.2
49.0
48.2
 6.3
%の合計(%計算の分母) 349.9(630) 381.2(633) 365.5(1263)
注1:表中の<は男女間で5ポイント以上の差があることを示す
 
 表3 日本が平和でない理由          (複数選択、数字は%)
理由 男子  女子 全体
犯罪や事件があるから
さまざまな差別があるから
環境破壊が進んでいるから
いじめがあるから
大きな事故があるから
自衛隊をイラクに派遣しているから
その他
86.5
39.0
41.9
35.5
35.3
26.2
10.5
<92.0
 43.2
 37.0
 37.0
 30.7
 30.7
  8.7
89.3
41.1
39.4
36.3
32.9
28.5
 9.6
%の合計(%計算の分母) 274.9(408) 279.3(424) 277.1(832)
注1:<は男女間で5ポイント以上の差があることを示す。

 
 
 
 
 
 
 
 
 





 
(3)平和形成への貢献意欲の有無とその理由
 
 表4 社会が平和であるために何かしたいと思っているか   (数字は%)
回答  男子  女子  東京  京都  広島  那覇  全体
はい
いいえ
 63.7
 36.3
 79.9
 20.1
 76.0
 24.0
 69.7
 30.3
 65.9
 34.1
 73.8
 26.2
 71.5(1036)
 28.5 (413)
 計 100 100 100 100 100 100 100 (1449)
 
 表5 平和のためにしたいと思っていること         (複数選択、数字は%)
してみたいこと 男子  女子 全体
わからないけど、何かしたい
貧しい国への援助活動に協力する
自然保護に協力する
他の人と仲良く力をあわせ、いじめをなくす
平和の大切さを人々に訴える
平和運動に参加する
その他
60.3
34.2
34.8
26.8
19.6
13.9
 3.4
 59.8
<45.4
>29.4
 31.2
<26.4
 13.8
  3.6
60.0
40.3
31.9
29.2
23.3
13.9
 3.5
%の合計(%計算の分母) 193.0(474) 209.6(557) 202.1(1031)
注1:<、>は男女間で5ポイント以上の差があることを示す。
注2:二つの質問項目に答えていないものは集計から省かれるので、全体の合計が1036名より少なくなる。

 
 
 
 
 
 
 






 
 
 表6 平和のためにしたくない理由        (複数選択、数字は%)
 理由 男子  女子 全体
何をしていいのかわからない
考えたことがない
自分一人でしても意味(効果)がない
面倒なので、かかわりたくない
大人がやるべきこと
今平和だから必要がない
その他
56.3
47.0
33.7
28.5
15.6
13.3
 6.7
<69.0
 50.0
 30.3
>12.7
>9.2
>6.3
 4.2
60.7
48.1
32.5
23.1
13.3
10.9
 5.8
%の合計(%計算の分母) 201.1(270) 181.7(142) 194.4(412)
 
(4)平和形成方法の具体的知識
 
 表7 平和社会の形成に日本や世界で努力した人や平和運動団体を知っているか (数字は%)
 回答 東京 京都 広島 那覇 全体
知っている
少し知っている
知らない
  8.9
 19.2
 71.8
 11.3
 16.7
 72.0
  9.5
 13.0
 77.6
  5.6
 10.5
 83.8
  8.7 (124)
 14.7 (211)
 76.6(1098)
  計 100 100 100 100 100 (1433)
 
(5)平和形成方法の学習課題と学習意欲

 
 
 
 
 
 
 
 
 








 
 
 表8 平和な社会をつくるために学習する必要があるもの   (三つ選択、数字は%)
学習課題 男子 女子 東京 京都 広島 那覇 全体
いじめ問題
環境の保護
国際連合の役割
広島・長崎の原爆
空襲による被害
沖縄の戦争体験
開発途上国が抱える問題
障害者や高齢者への福祉
在日外国人と仲良く暮らすこと
アジアへの侵略戦争
英語などの外国語
その他
35.8
37.2
36.1
27.7
27.3
18.4
19.8
13.6.
18.7
18.8
12.4
 1.8
38.7
35.5
>24.7
<33.4
29.3
<24.1
21.0
<24.1
16.4
> 9.9
13.1
 1.6
31.4
35.7
36.5
32.4
32.4
13.0
20.5
17.0
15.9
15.4
13.0
 1.9
34.9
41.5
29.4
28.7
26.0
23.9
23.9
17.3
18.7
13.8
12.1
 1.0
41.4
40.1
28.6
32.2
25.3
15.3
16.6
20.7
21.3
14.7
14.2
 1.1
40.5
29.2
27.4
28.2
28.9
32.9
21.3
20.0
14.5
13.9
11.8
 2.6
37.2
36.4
30.5
30.5
28.3
21.2
20.4
18.7
17.5
14.5
12.8
 1.7
%の合計
(%計算の分母)
267.6
(718)
271.8
(685)
265.1
(370)
271.2
(289)
271.5
(367)
271.2
(380)
269.7
(1406)
注1:地区欄の下線は、その題材の選択において4地区の中で最も選択率が高かった%の数字であることを示す。
注2:<、>は男女間で5ポイント以上の差があることを示す。
 
 表9 平和な社会をつくる方法を学校で「もっと学びたい」と思うか(数字は%)
回答 東京 京都 広島 那覇 全体
思う
少し思う
あまり思わない
思わない
どちらともいえない
 27.0
 46.1
 12.8
  8.6
  5.5
 18.7
 46.6
 20.4
  7.8
  6.5
 18.7
 34.7
 24.3
 11.7
 10.7
 31.5
 38.0
 13.1
  7.8
  9.6
24.4(353)
41.0(594)
17.4(252)
 9.0(131)
 8.1(118)
 計 100 100 100 100 100(1448)


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(6)平和形成への貢献方法
 
 表10 日本は世界に対してどの分野でもっと貢献すべきだと思うか
                               (三つ選択、数字は%)
貢献分野  男子  女子  全体
環境対策(公害への対策)・省エネルギー
保健・衛生面での協力
文化交流
平和維持軍の派遣
金銭的な援助
科学・技術向上への協力(乳児死亡率の低下やエイズ対策など)
経済(貿易や投資)
教育面での協力
その他
 49.0
 33.3
 39.0
 28.6
 28.7
 36.0
 28.6
 22.4
  0.8
 48.6
<50.2
 43.4
 33.3
 26.9
>17.2
>18.6
 24.2
  1.6
 48.8
 41.5
 41.1
 30.9
 27.9
 26.9
 23.7
 23.2
  1.2
%の合計(%計算の分母) 266.4(724) 264.0(687) 265.2(1411)
注1:<、>は男女間で5ポイント以上の差があることを示す。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 






 
 
 
 表11 将来平和な社会をつくる活動や仕事をしたいと思うか(数字は%)
回答 男子 女子 全体
思う
思わない
どちらともいえない
 11.7
 29.1
 59.2
18.2  15.7  66.1 14.8(212)
22.6(323)
62.6(896)
 計 100 100 100 (1431)